研修内容

大分大学医学部附属病院救命救急センターでの
研修医の研修内容を紹介します。

救急医の必要性

救急科専門医は単独でも非常に高いスペシャリティーを誇る専門医です。
いつ、どこで、何をするのか。
多発外傷や、緊急度の高い救急患者に適切な初期診療を行えるように、
自身の判断力と決断力で患者のいのちをすくうことができること。
救急科は基礎であり、あなたの得意分野が伸ばせる場所です。


専門的診療能力習得後の成果

専門研修によって得られる知識、技能学問的姿勢に加えて、医師としての倫理性・社会性を習得することが出来ます。


研修内容

救急科領域研修カリキュラムで、さらなる技術と知識の向上を目指します。

大分大学医学部附属病院の標準的週間予定表(クリティカルケア)
時間
7:30 ER・入院症例カンファレンス・回診
8:30 ER・DH・
DC勤務
救命ICU
勤務
ER・DH・
DC勤務
救命ICU
勤務
ER・DH・
DC勤務
12:00 研修医
セミナー
13:00 ER・DH・
DC勤務
17:00 ER・入院症例カンファレンス・回診
17:30 研修施設群
合同勉強会

経験豊富な指導員が中心となり、救急科専門医や
他領域の専門医とも協働して臨床現場での学習を提供。

  • (1)救急医学に関連する学術集会、セミナー、
    講演会およびJATEC、JPTEC、ICLS、BLS/ACLS
    などのコースを優先的に履修できるようにします。
  • (2)ICLS(AHA/ACLS を含む)コースの受講し、
    さらに指導者としても参加して救命処置の指導法を
    学べる様に配慮しています。
  • (3)研修施設もしくは日本救急医学会や関連学会が
    開催する認定された法制・倫理・安全に関する講習に、
    それぞれ少なくとも年1回以上参加できるように配慮致します。
eラーニング
臨床手技(動画解説付)や医療情報のデータベース、種々の電子ジャーナルなどのe-Learningが利用可能で、病院内や自宅学習環境があります。
ライブラリ
基幹施設である大分大学医学部には図書館があり、多くの専門書と製本された主要文献およびインターネットによる文献・情報検索が可能です。
トレーニング
手技を体得する設備(スキルス・ラボセンター)や教育ビデオなどを利用したトレーニング

研修プログラム

救急科領域研修カリキュラムで、さらなる技術と知識の向上を目指します。

A.研修領域と期間

原則として研修期間は3年間です。

基幹研修施設での重症救急症例の病
院前診療・初療・集中治療(クリティカルケア)診療部門12 か月、

地域二次救急病院での、ER診療における医療面接、
身体診察、検査、治療手技などや他科研修、災害医療研修

三次救急医療施設において、ER、集中治療、
ドクターカー、救急ワークステーション、災害医療などの研修を行う。

1年目 基幹研修施設 ER・クリティカルケア、
ドクターヘリ、ドクターカー
2年目 二次救急医療施設 ER・他科研修・災害研修
ER・他科研修
3年目 救命救急センター
二次〜三次救急
ER・クリティカルケア、ドクターカー
ドクターカー、救急ワークステーション

B.研修施設本プログラム

研修施設本プログラムは、研修施設要件を満たした次の6施設によって行います。

大分大学医学部附属病院(基幹研修施設)

(1)救急科領域の病院機能:三次救急医療施設(高度救命救急センター)、災害拠点病院、
ドクターヘリ配備、ドクターカー配備、地域メディカルコントロール(MC)協議会中核施設
(2)指導医:研修プログラム統括責任者(救急医学会指導医)1 名、救急科指導医3 名、消化器外科3 名、循環器内科4 名、消化器内科1 名、整形外科3 名、腎臓内科1 名
(3)救急車搬送件数:1800/年
(4)研修部門:高度救命救急センター
(5)研修領域
① クリティカルケア ② 重症患者に対する診療病院前救急医療(MC・ドクターヘリ、ドクターカー) ③ 心肺蘇生法・救急心血管治療 ④ ショック
⑤ 重症患者に対する救急手技・処置 ⑥ 外傷外科 ⑦ 救急医療の質の評価・安全管理 ⑧ 災害医療 ⑨ 救急医療と医事法制
(6)研修の管理体制:院内救急科領域専門研修管理委員会によって管理される。
身分:医員(後期研修医)勤務時間:8:30-17:1。休暇:年次有給休暇10 日(採用時より付与)、その他夏季休暇(有給5 日)、病気休暇(有給3 日)。
社会保険:健康保険、厚生年金保険、雇用保険を適用。医師賠償責任保険:病院において加入(個人加入は任意)。宿舎:有。院内研修医室:有。保育園:有。
(7)臨床現場を離れた研修活動:日本救急医学会、日本救急医学会地方会、日本臨床救急医学会、日本集中治療医学会、日本集中治療地方会、日本外傷学会、
日本中毒学会、日本熱傷学会、日本集団災害医学会、日本病院前診療医学会など救急医学・救急医療関連医学会の学術集会への1 回以上の参加ならびに報告を行う。

新別府病院(連携施設A)

(1)救急科領域の病院機能:地域救命救急センター
(2)指導者:救急科指導医1名、救急科専門医2名、その他の診療科専門医
(3)救急車搬送件数:1900/年 (4)救急外来受付患者数:2800/年
(5)研修部門:救命センター、救急外来
(6)研修領域
① 一般的な救急手技・処置 救急症候に対する診療 ② 急性疾患に対する診療 ③ 外因性救急に対する診療 ④ 小児および特殊救急に対する診療
(7)施設内研修の管理体制:救急科領域専門研修管理委員会による

大分市医師会立アルメイダ病院(連携施設B)

(1)救急科領域の病院機能:三次救急医療機関
(2)指導者:救急科指導医1名、救急科専門医2名、その他の診療科専門医(集中治療専門医3名)
(3)救急車搬送件数:2300/年 (4)救急外来受付患者数:12000/年
(5)研修部門:救命救急センター救急外来、ならびに救急病棟
(6)研修領域
① 一般的な救急手技・処置 軽症救急症候に対する診療 ② 急性疾患に対する診療 ③ 外因性救急に対する診療 ④ その他、救急蘇生に必要な知識と手技、重症患者管理など
(7)施設内研修の管理体制:院内研究管理委員会による(初期研修管理委員会と同部署内)

大分県立病院(連携施設C)

(1)救急科領域の病院機能:救命救急センター、2次救急医療機関(輪番制)、基幹災害医療センター、大分DMAT指定医療機関、消防ワークステーション実習期間
 ドクターカー運用機関、屋上ヘリポートを用いたドクターヘリ等受け入れ機関、周産期医療センター
(2)指導者:救急科指導医1名
(3)救急車搬送件数:2500/年 (4)救急外来受付患者数:8000/年
(5)研修部門:救命救急センター(救急外来、ICU、HCU、WS)、手術室、周産期医療センター、血管造影室、内視鏡室等
(6)研修領域
① 救急搬送患者の初期診療 ② 重症患者に対する管理 ③ 病院前診療 ④ 救急ワークステーションを用いたメディカルコントロール 
⑤ 災害医療 ⑥ 特殊治療(手術、血管造影、小児、耳鼻科、産科、NICU)
(7)研修内容
① 救急搬送症例の初期診療:疾患・重症度をと合わない搬送症例の初期診療を行います。成人のみならず小児の重症例が多いことが特徴です
② 入院症例の管理:救命救急センター病と似て重症管理を行います ③ ドクターカー(DC)WS救急車等を用いた病院前診療を行います
④ ワークステーションにおいて顔の見えるMCを経験してもらいます ⑤ 局地災害の訓練・研修に加えWS救急車同乗し実施可能です
⑥ 血管造影室や手術室等において救急患者の特殊治療をおないます
(8)施設内研修の管理体制:救急科領域専門研修管理委員会による

大分赤十字病院(地域二次救急施設)(関連施設A)

(1)救急科領域の病院機能:地域二次救急医療機関
(2)指導者:その他診療科専門医(岡本正博先生 外来専門医)
(3)救急車搬送件数:2000/年 (4)救急外来受付患者数:8000/年
(5)研修部門:救急外来
(6)研修領域
① 一般的な救急手技、処置、救急症候に対する治療 ② 小外科的な救急手技・処置 ③ 災害医療 
(7)施設内研修の管理体制:大分赤十字病院救急科領域専門研修管理委員会(仮)による

大分中村病院(地域二次救急施設)(関連施設B)

(1)救急科領域の病院機能:地域二次救急医療機関、DMAT指定病院、へき地医療拠点病院
(2)指導者:救急科専門医1名、その他診療科専門医22名
(整形外科6名、外科2名、脳神経外科2名、形成外科2名、手外科2名、麻酔科2名、総合内科6名、産婦人科1名、泌尿器科1名、熱傷1名)
(3)救急車搬送件数:1897/年 (4)救急外来受付患者数:3852/年
(5)研修部門:救急総合医療センター(ER)
(6)研修領域
① 一般的な救急手技、処置、救急症候に対する治療 ② 急性疾患に対する診療 ③ 外因性救急に対する診療(小児含む) ④ DMAT出動時における診療
(7)施設内研修の管理体制:救急科領域専門研修管理委員会による

臼杵医師会立コスモス病院(地域二次救急施設)(関連施設C)

(1)救急科領域の病院機能:地域二次救急医療機関、DMAT指定病院、へき地医療拠点病院
(2)指導者:救急科専門医1名、循環器専門医2名、外科専門医3名、内科専門医2名
(3)救急車搬送件数:1258/年 (4)救急外来受付患者数:3988/年
(5)研修領域
① 一般的な救急手技、処置、救急症候に対する治療 ② 急性疾患に対する診療 ③ 外因性救急に対する診療(小児含む) ④ DMAT出動時における診療

C.研修年度ごとの内容

※研修年度内容の一例

1年目

大分大学医学部附属病院(基幹研修施設救命救急センター)12か月 研修到達目標 救急医の専門性、独自性に基づく役割と多職種連携の重要性について理解し、 救急科専攻医診療実績表に基づく知識と技能の修得を開始することになります。 またわが国ならびに地域の救急医療体制を理解し、MC ならびに災害医療に係る基本的・応用的な知識と技能を修得します。
指導体制 救急科指導医によって、個々の症例や手技について指導、助言を受けます
研修内容 上級医の指導の下、重症外傷、中毒、熱傷、意識障害、敗血症など重症患者の初期対応、
入院診療、退院・転院調整を担当します。ドクターヘリやドクターカーによる病院前診療の意義を理解し経験します。
また、外傷をはじめとした症例登録も担当します。

2年目(上半期)

地域二次救急医療施設、民間病院(連携病院ER 部門)6か月 研修到達目標 市内中心部に位置する二次救急医療機関として、多様な疾病や外傷に対して、救急初期診療のうち、緊急止血、
創外処置・骨折処置、気道確保、麻酔、内視鏡検査、血管造影検査等に係る基本的知識と技能の習得を目標とします。
指導体制 脳神経外科、整形外科、外科、消化器内科、循環器内科、形成外科、麻酔科の指導医や専門医、上級医によって、
個々の症例や手技について指導、助言を受けます。
研修内容 上級医の指導の下、外科では外科的基本的知識と、創処置技能習得のために、手術の術者、助手を経験し、
また術前術後管理を担って頂きます。内視鏡や血管造影検査も、上級医の指導の下で外来あるいは
入院中の検査予約患者を中心に実施し、適宜休館の緊急止血術を経験していただきます。
麻酔も指導医の指導の下、主に気道確保手技に関する技能を習得して頂きます。

2年目(下半期)

地域二次救急医療施設 6か月 研修到達目標 2次救急指定病院として、3次救急指定病院とは異なる様々な重症度、緊急度の患者の初療・評価ができるようになることを目標とします。
指導体制 外科、整形外科、内科各科をはじめ各診療科の専門医の指導、助言のもとに診療を行います。
研修内容 救急外来での初療を行い、必要があれば適切な専門診療科への橋渡しを行います。
また症例によっては当科で入院管理を行います。
年間5〜6会の災害訓練に参加しており、それらに参加することで災害医療に関する認識を深めます。
ICLSやJPTEC、JATEC、大分DMATやMCLSなどの講習会に積極的に参加します。

3年目(上半期)

地域二次救急医療施設、民間病院(連携病院ER 部門)6か月 研修到達目標 救急初期診療において、ABC(気道呼吸循環)の異常に気が付き、内科的外科的問わず蘇生処置が施せること、
また、重症患者の入院管理に関しても実施ができることを目標とします。
指導体制 救急科専門医を中心に各科連携体制のある診療科医師専門医によって、
個々の症状や手技について指導、助言を受けることになります。
研修内容 救急外来での救急患者に対する救急初期診療だけでなく、
病院前救護としてドクターカー運用にも積極的に参加することができます。
重症患者の入院管理に関しても指導医の支持を受けて根本的治療に関与することができます。

3年目(下半期)

地域二次救急医療施設 6か月 研修到達目標 クリティカルケアないしERにおける実践的知識と技能を習得していただきます。
指導体制 救急部門専従の救急科専門医によって、個々の症例や手技について指導、助言を受けることになります。
研修内容 上級医の指導の下、救急患者の病院前診療、外来・入院患者管理を実践していただきます。

INTERVIEW

救急科専門研修医が実際に体験した研修への思いとは?

interview

患者様との出会いで、
救命センターの
意義をより一層感じた。

卒後臨床研修センター 1年目医師
成安 赳彦

研修前の、高度救命救急センターのイメージは・・・

救命救急科の医師をはじめ、各科の医師が協力し、大分の三次救急を支えているイメージでした。

ドクターヘリを中心とした医療介入が、患者救命に大きく寄与していることを実感しました。

イメージで挙げたように、多様な科の先生が協力しながら業務されているのが印象的でした。
救命救急科はもちろんのこと、各科の視点が集まることは三次救急に必要なことだと改めて感じました。
またドクターヘリを中心とした病院に来るまでの医療介入が、患者救命に大きく寄与していることを実感しました。

患者様との出会いで、救命センターの意義をより一層感じました。

ドクターヘリで搬送されてきた患者で印象に残った方がいます。
一時は心肺停止状態となるも、救命センターの医師をはじめとしたスタッフによる懸命な処置により、蘇生された方でした。
初めてお会いした時は意思疎通もできない状態でしたが、ICUでの治療を受け、お話できるまで回復し退院されました。
この患者様との出会いが、救命センターの意義をより一層感じさせて頂くものとなりました。

interview  
耳鼻咽喉科 後期研修医
篠村 夏織 

目の前の命を救うために、
懸命に身体を動かす先生方の姿がとても印象的だった。

患者さんを診ること、自分の成長につながる大切なことを学び、身につけました。

1年目の前半に1.5ヶ月、2年目の1〜3月に研修させて頂きました。なかでも2年目の3か月間は、自分の成長につながる期間だったと思います。
下記の2つを学べたことが私の中での大きな収穫でした。

①患者さんを診ること
これは上級医の先生から、なによりも大切だと言われたことです。
一見当たり前のように見えますが、特に研修医は採血データや画像検査など、カルテ上の所見に目がいきがちです。
それよりも目の前の患者さんから所見をとることが何倍も大切だと学びました。

②なにか加療を行なう前にしっかり考えること
処置する前、薬を使う前、食事を変更する前など、なにかをする前には必ず、その患者さんの状態について把握し、
こういう理由があるから、ではこうしようとしっかり考える習慣が身に付きました。
救命センターでの研修以降、日々の診療の中で、点滴1本オーダーする前にも患者さんを診て、しっかり考えることが自然とできるようになりました。

たかが研修医、の意見にもしっかり耳を傾けてくださった救命センターの先生方には、本当に感謝しかありません!!

研修期間中は、「今日もこの手技はいまいちだったな」、「全身管理ももう少し、こうした方がよかったのではないか?」と1日のおわりに反省する日々でした。
技術面も知識面も至らない私に対し、上司の先生方は毎日しっかり指導してくださり、私が失敗して落ち込んでいるときには精神面でもケアして頂きました。

最後の1ヶ月はDr.Heli同乗の許可も頂き、病院前の活動にも参加させて頂きました。
その際も不安でいっぱいの私に「出来ないことはできない!とあなたははっきり言える人なので、そこは心配してないから。自分にできることを考えて動いてね」と、
アドバイス頂いたのを鮮明に覚えています。
たかが研修医の意見にもしっかり耳を傾けてくださった救命センターの先生方には、本当に感謝しかありません!!

研修を終えて、目の前の命を救うために身体を動かす先生方のイメージはかわりませんでしたが、
学生の頃は漠然と見ていた1つ1つが、どれだけ考えられた上で行われているものかを知ることができたと思います。

やってみればいい。本当にやりたいことなんて、色々やっていく中でしか見つからない ENTRYはこちら
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