専門医ドクターインタビュー

いのちと向き合う先輩たちからみる
高度救命救急とは?

INTERVIEW06
救急専門医として地域を一助出来る一員に
大分大学医学部附属病院高度救命救急センター
救命救急科 専門医 森 由華

現在の仕事についてお話を伺いました

Q.森先生の現在のお仕事について教えてください

現在、大分大学医学部附属病院高度救命救急センターで救急医として働いています。

Q.一日の流れやワークバランスについて教えてください

起床は朝5時半~6時くらいですね。夫(同病院放射線科医)と一緒に朝食・昼食の準備をして6時半に家を出ます。
大学に到着して、まず患者さんの状態確認をして、朝のカンファレンスに臨みます。
午後6時から7時あたりに勤務が終わって、夫と待ち合わせて一緒に帰宅します。就寝は夜11時ごろですね。

Q.横浜から大分に戻ってきたきっかけは?

私は大分大学出身で、学生時代に多くの先生にお世話になったので、いつかは大分大学で恩返ししたいなと思っていました。
夫が後期研修を終えて次のステップに進むタイミングでしたので、さらに大分大学で学びを深めて恩返しができるだろうと考えて戻ってきました。

Q.医師、救命救急医療に携わるきっかけはありましたか?

以前、母の体調が悪くなって救急搬送されたことがありました。その際、不安に思う状態だったので、ドクターになれば家族の健康を近くで見守ることができて、安心して過ごせるだろうと思ったのが最初のきっかけでした。
医師になった頃からすでに救急に興味はあって、学生時代から、塚本先生や他の先生にお世話になりました。朝の勉強会をしてくださったり、救急に関することをたくさん学ばせてもらいながら学生生活を過ごしてきました。
救命救急の道を最終的に決めたのは、研修医の時です。どの科も興味深くてすごく悩みましたが、最終的に産婦人科と循環器と救急の中で迷いました。先生方と相談する中で「全身治療をしっかり学んでからの方が貢献できることが多いよ」と、いろんな先生が言ってくれたこともあって、救急の道に進みました。

Q.救命救急医として辛かったことはありますか?

やはり、直近ではコロナ禍が辛かったですね。高齢者のワクチン接種が始まってから、高齢患者は減ってきたけれど40~50代の方が重症患者で急増したタイミングは、とてもつらかったですね。
ECMO(エクモ・人工呼吸器)を使いながら良い状態までもっていきたいのに、やはり肺が良くならずに命を落としてしまう方がたくさんいらした時期でした。患者さんも頑張っているし、私たちも最大限頑張っているけれど、目の前でどうしてもこぼれていってしまう。その状態が辛かったです。

Q.嬉しかったこと、心に残っているエピソードはありますか?

具体的なエピソードというわけではありませんが、最初は話すこともできず意識状態が悪かったところから、だんだんよくなってチューブが抜けてスッキリして、最終的にご飯が食べれるようになって歩いている患者さんの姿を見ると、「元気になってくれてよかった、そこに携われてよかった」と感じますね。患者さんの体調がどんどん良くなっていく様子がみられると、やっぱりうれしいですしやりがいを感じます。

やりがいは 「 患者さんが良くなっていく姿を身近で感じられること

コロナ禍の中で、最大限頑張ってもどうしても命を落としてしまう方がいる中ですが、
意識状態が悪かった患者さんが最後には
元気になって歩いている様子を見ると、
嬉しさとやりがいを感じますね。

高度救命救急医を目指す方、学生に向けてのメッセージをお願いします

”救急は専門性がない”といわれがちの科で、全身を診るのが救急医の特徴でもあるので、何かが得意という面が周りからは見えづらいのは確かにあると思います。
でも、患者さんは、「ここが悪い」とわかって病院にくるわけではなくて、まずはこちらがどこが悪いのかを探していくのが最初の大事な部分だと思います。そこを救急科では学べますし、どの臓器と限らずに全身全部を診られる、元気にしていくようにできるのは救急科の良いところだと思っています。

今後の目標を教えてください

私は最終的に、子どもから大人まで、年齢や性別関係なく全部診れる人になりたいと思っています。難しいことかもしれませんが、ひとつひとついろんな問題をクリアしていきながら成長していけたらいいなと思っています。

INTERVIEW MOVIE

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