県外からの入局インタビュー

ドクターヘリ のスタッフとして勤務する塚本先生より
救命センター、そしてこれからの目標について
取材しました。

INTERVIEW02
一生青春、一生勉強
大分大学医学部附属病院高度救命救急センター
医師 塚本菜穂

現在の仕事についてお話を伺いました

Q.塚本先生の現在のお仕事について教えてください

現在、高度救命救急センターでドクターヘリのスタッフとして勤務しており、今年で2年目になります。
ドクターヘリに乗って現場で初期診療に介入して患者さんのABCDE(気道、呼吸、循環、神経、体温)をクリアすること、
またドクターヘリやドクターカーで帰って来た患者さんへの救急対応などが主な仕事です。

根本治療は専門医の先生になるので、呼吸がない患者さんなら呼吸ができるように、血圧が下がっているなら維持できるようにつとめ、
専門医の先生に患者さんの命を繋いでいくのが私たち救急医の仕事だと思っています。

Q.一日の流れやワークバランスについて教えてください

ドクターヘリに乗っていないときはICUの病棟にいることが多いので、外来や病棟のお手伝いをしています。
一日の流れは病棟にいるか、ヘリに乗っているか、それともICUにいるかで大きく変わってきます。
病棟とドクターヘリの仕事は全く違いますが、病棟では病態をしっかりと見ることができますし、「全体を知る」という点で病棟での仕事もとても大事ですね。

当直があるので職場には24時間いるときもあります。でも、シフトが明けたらすぐに帰れますし、休日や帰宅後に呼び出されることはほとんどないので、
そこは他の科と違うところかもしれませんね。
次の救急対応のために体力温存が大事なので、オンとオフがはっきりしています。休みの日や帰宅後は自分の時間として、プライベートを楽しんだりしっかり身体を休ませています。

Q.医師、そして救命救急医療に携わることになったきっかけはなんですか?

私の場合は、開業医をしていた祖父の影響が大きいです。
祖父は外科医が専門で、町のお医者さんとしていろんなことができる医師でした。救急車を受け入れて入院までしっかりと看たり、性格はちょっと怖いけど町の人から信頼されていたり。
そんな祖父を見て育ったので、「誰かを助けられる人になりたい」という想いは5歳くらいから持っていましたね。

救急医療を意識したのは阪神淡路大震災を経験したからですね。
当時大阪に住んでいたので、被害を目の当たりにしていました。両親の知り合いが亡くなったり、現場で命を落とした人がいる状況の中で、「たくさんの人を助けたい」という想いが生まれて、成長を重ねるごとに気持ちが「救急医療」や「災害医療」へと固まっていきました。

Q.高度救命救急医として辛かったことはありますか?

救命医は、患者さんのすべてを看ないといけない、一瞬一瞬で
判断しなければいけないので、膨大な知識が必要になってきます。
それはやっぱり、怖いと感じることもありますし、大変かもしれません。

考える力を養ったり、知識を増やすために勉強したりと研究医のころからいろんな努力をしていますが、うまくいかないこともありますね。

ただ、私の場合は小さいころから夢見ていた世界が目の前にあるので、苦労以上にやりがいや充実感のほうが大きいと感じています。

嬉しかったこと、心に残っているエピソードはありますか?

三年目のときに対応した患者さんなんですが、
非常に危ない状態で来られた重症の患者さんがいたんです。
その人は状態がよくなって、他の病院に移っていったんですが、
また会いに来てくれたことがありました。

最初にヘリで運ばれて来たときのことは覚えてないそうなんですけど、私たちが声をかけ続けていたのは覚えている、
ありがとうねと言ってくださって嬉しかったですね。

それから、私たちは常に救急隊の方とディスカッションをして、
コミュニケーションを取るように心がけています。
医師や看護師は病院内のスペシャリスト、
救急隊員は現場のスペシャリスト。救急隊員の方たちと意見を交換して、
次の活動にうまく活かせたときはすごく嬉しいですし、
活発な意見を言い合えることが楽しいと感じますね。

やりがいは 「 患者さんが元気になってくれたとき

例えば転落事故でも、どう落ちたか、どこにあたったか、
どんな合併症がくるかで病態が違って、同じものって何ひとつないんです。
救急医療自体がまだ確立していない医療だという点もあって、
毎日がチャレンジと勉強の日々ですね。

だからこそ、患者さんが元気になってくれたときの達成感や充実感は大きいです。
患者さんが立てるようになった、話せるようになった。
そういう瞬間に湧き上がる嬉しさが、一番のやりがいですね。

高度救命救急医を目指す方、学生に向けてのメッセージをお願いします

たとえ仕事であってもやりがいや達成感などのポジティブな感情を忘れないでいてほしいと思っています。
苦しい、きついという気持ちが強くなってしまうと、そこでだめになってしまうので。
そのために、患者さんと積極的にコミュニケーションをとることが大事になってくるのかなと思います。そこにやりがいも感じますし、会話から得た情報を治療に反映することもできます。

それから大事にしてもらいたいのは「考える力」ですね。「一緒になって考えていこう」と、私も言われて育って来ました。
知識だけじゃなくて、少しずつでもいいので考える力をつけていってもらえたら嬉しいですね。

今後の目標を教えてください

一番は、「救急に先生がいてくれてよかった」って
思ってもらえるような救急医になることです。

具体的には、まずは救急専門医を取って、
幅広くいろんなことができるようになりたいですね。
その後に、自分の興味がある分野に特化していけたらと考えています。
頭部の疾患に興味があるので、脳外科や脳挫傷、低酸素脳症などの
患者さんの全身管理ができる救急医になることが目標です。

私が好きな言葉に、「一生青春、一生勉強」があります。
勉強ももちろん大事だけど、やりがいや充実感、それから
プライベートも大事にしていきながらがんばっていきたいですね。

INTERVIEW MOVIE

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